最後のパン
スーパーマーケットで賞味期限も間近で安売りされているような、パン。
それも、味のないものが向いています。
家の台所のテーブルの隅にあったりするような
パサついてどうしようもない食パンや、みるくパンなんかを
これは、
世界最後のパンなんだ
と 噛みしめてゆっくり食べると、別物のようにおいしく感じるんですよね。
心細い旅先で人の気配のない辺り田んぼばかりのバス亭の、ベンチで開く包みの中のパンだったり
たった一人の無人島で
残された唯一の食料であるパンと向き合った時の気持ち・・・
細かく想像を膨らませてその状況の主人公のように入り込むのがコツでしょうか。
真剣に書いていてはずかしくなってきたのでここらで止めておきます。
正確に言うと
おいしくないのはそのままで、おいしいの基準が変わる感じです。
パッサパサでちょっと化学の味もするけど、一時的に幻の有り難さで自分を騙すのです。
焼きたてパン屋さんのパンばかり食べたいものですが、現実にはそうはいきませんので
私が子供の頃より培って参りました、
“最後のパン” 試してみてはいかがですか。
※私は小麦粉味のパンをそのまま食べる事がもとより好きな人間です。
※ご存知だとは思いますがレンジでチンするか、トーストした方が確実に美味しいです。